アルメニアのレーザ療法



日本LPL療法普及協会事務局長 井上正之

20007月、日本LPL療法普及協会にアルメニア共和国のScientific Research Instituteよりアトピー性皮膚炎、膠原病、アルツハイマーなどの難治性疾患のレーザ療法についての共同研究の申し入れがあり、情報交換を行って来たが、200210月7日より12日まで、日本LPL療法普及協会事務局長、井上正之夫妻が同国を訪問して次の施設を見学し、アルメニアでのレーザ治療の現地調査を行った。以下はその報告である。
1)    PYRKAL社
2)    Institute for Physical ResearchArmenian National Academy of Science
3)    Institute of PhysicsYerevan State University
4)    Institute of BiotechnologyYerevan State University
5)    No.1 Children Clinical HospitalYerevan State Medical University
6)    International Post-Trauma Rehabilitation Centre
7)    Laboratory of Genetics, Institute of Zoology of Armenian
8)    Scientific Research, Institute of SPA Treatment and Physical Medicine


1)アルメニアには旧ソ連邦時代、ソ連の費用で約2000箇所の研究所が設置され、ソ連の頭脳としての役割を果たしていた。スプートニック打ち上げのソフトなど全てアルメニアの技術者により作成された。1991年、ソ連邦の崩壊とともに、ソ連邦からの費用援助は打ち切られ、アルメニアの技術者も帰国したが、独立採算の方針に基づき、米国を中心とする慈善団体などの援助の下、Scientific Research、イェレバン国立大学物理学部及び国立物理学研究所は、Dr. Haik S Arakelian教授の下、約400人のスタッフが、新しいレーザの開発、レーザ療法、アルメニア伝統のハーブ療法及び磁気治療を組み合わせた治療法による難治性疾患の治療、エイズ、アルツハイマーの治療研究等、世界のトップレベルの研究を行っている。

2)
アルメニアの低出力レーザ治療には30年の歴史と経験があり1967年に開発されたルビーレーザーが現在でも治療に活躍しているが、現在は主として赤色光レーザ(632nmHe-Ne,半導体レーザ(890nm)を磁力線照射、ハーブ療法と組み合わして使用している。 照射方法は、東洋医学的ツボ、圧痛点、光ファイバーを使用した静脈内照射(Intravenous laser irradiation,アタッチメントを使用した直腸内照射、胃カメラを使用した胃内部の照射など、幅広く行われている。今後は、複数の波長のレーザを照射できるホワイトレーザ、波長可変レーザなどの商業モデルをつくり、使用してゆく計画である


 
アルメニアでは、磁気療法は非常に有効な治療法として注目されており、あらゆる種類の疼痛、炎症(乳腺炎、肺炎、気管支炎、卵巣炎、子宮炎、口内炎、歯肉炎、骨端炎など)、栄養性潰瘍、末梢神経障害、糖尿病性多発性神経炎、各種外傷、アレルギー疾患、虚血性心疾患、動脈硬化の治療に使われている。 最も多く使用されている磁気治療器は、ロシア、Polyot社のMagniter及びMultimagである。


4)
Arakelian教授の下で、アルツハイマーの原因究明、及び治療法の研究が進められており、日本の研究者との共同研究及び資金援助を希望している。同チームの利点は、アルメニア人とユダヤ人に特有な、α―アミロイドの蓄積する痴呆症(FMF)にハーブ療法が有効なことが15年前から知られており、レーザ療法も有効であることが確認された。β―アミロイドの蓄積するアルツハイマー患者に対する複数の波長のレーザ治療の有効性が確認され、磁気照射を組み合わせると効果が増加することも確認された。今後の課題は、アルツハイマー治療に最適なレーザ波長、出力、磁気照射の出力、照射方法を見出す事を期待している。


5)
Scientific Researchでは、レーザ及び磁気が生体に影響を与える機序について、細胞レベル、動物実験で解明しており、有効且つ科学的な治療法である事を確認している。治療法としては、レーザと磁気の組み合わせが相乗効果があり、特に有効であると考えている。


6)
Pyrkal社及びInstitute of Physical Researchでは、あらゆるタイプのレーザ、例えば、ホワイトレーザ、ピコセコンドレーザ、パラメトリックレーザ、各種のYAG、半導体レーザなどを小出力から大出力まで、クリスタルの生成過程から行っており、いかなる波長のレーザも供給可能な体制にある。もともとアルメニアのレーザ研究は、ソ連のレーザ兵器開発のためにスタート、促進された経過がある。現在、Pyrkal社は、各種のクリスタルを欧米の医療機器メーカーに供給しており、日本への技術、製品、材料の輸出を期待している。


7)
アルメニアは豊かな国ではないが、世界トップレベルの頭脳、技術を有しており、日本に対し親近感を持っているので(アルメニアには富士山に似た標高5100メートルのアララト山があり、アルメニア人は約100年前、オスマントルコ軍により200万人の虐殺を受け、日本も広島、長崎で35万人の犠牲者を出しながら復活した)色々な角度で日本―アルメニアの協力関係を構築する可能性は非常にが高い。

写真1:静脈内レーザ照射
写真2:磁気治療器
写真3:アラケルヤン教授(右から2人目)と筆者

                                                               以上

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